この体験が、いつか未来を拓く力になる——。高校生のための「特別な時間」に寄せる、一人の料理人の想い。 ~ 薄井シンシア氏(SEKAIA株式会社)×納米恒太&木場瑞季(TRUNK) 〜

WANTが新しい価値を生み出す

2026.04.30 TRUNK(HOTEL) CAT STREET

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この体験が、いつか未来を拓く力になる——。高校生のための「特別な時間」に寄せる、一人の料理人の想い。 ~ 薄井シンシア氏(SEKAIA株式会社)×納米恒太&木場瑞季(TRUNK) 〜

WANTが新しい価値を生み出す

2026.04.30 TRUNK(HOTEL) CAT STREET

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WANT。それは、職務の枠を超えて、メンバーそれぞれが胸に抱く「想い」や「夢」のこと。誰かのWANTが生まれたとき、共鳴した仲間たちが惜しみなく手を差し伸べる——。そうしたポジティブな文化が深く根付いていることは、私たちTRUNKの誇りのひとつです。今回お届けするのは、TRUNK(KITCHEN)でシェフを務める納米恒太(のうまい・こうた)のWANTを起点に生まれた、次代を担う高校生たちに向けたイベントの話。実現を後押ししてくれたSEKAIA株式会社 Chief Empowerment Officer(最高エンパワーメント責任者)の薄井シンシア(うすい・しんしあ)氏を迎え、企画として納米を支えた木場瑞季(こば・みずき)と共に、「特別な一日」が形になるまでのストーリーを紐解いていきます。ひとり親家庭で育った自分だからこそ、同じ境遇に生きる高校生たちへ届けられるメッセージがある——。「良き夫、良き父でありたい」と語る一人の料理人の言葉には、すべての子どもたちの未来を願う、まっすぐな気持ちが満ちていました。

TRUNK(KITCHEN)で開催された、
ある特別なイベント。

2026年3月30日。都内の桜も満開を迎えた春の穏やかなその日、「未来のプロフェッショナルへ TRUNK(KITCHEN) 特別体験プログラム」と題したイベントが開催されました。会場はTRUNK(HOTEL) CAT STREET(以下 CAT STREET)のオールデイダイニングであるTRUNK(KITCHEN)。集まったのは、自らの将来と真剣に向き合う春休み中の8人の高校生たちです。

ホテルのレストランで働く「食とサービスのプロフェッショナル」と触れ合うなかで、内に秘めたまだ見ぬ可能性に気付いてほしい——。それが、このイベントの根底にある願いです。プログラムの内容は、高校生でなくとも心が躍るような充実ぶり。普段はなかなか足を踏み入れることのないホテルレストランで、調理やサービスの仕事体験、TRUNK(KITCHEN)のシグニチャーメニューであるハンバーグステーキを中心としたコース料理、そして、プロフェッショナルたちと膝を交えた仕事観や進路選択にまつわる対話。自らの手で仕上げたチョコレートデザートやオリジナルドリンクを囲む交流の場で見せた彼らの表情は、真剣そのもの。普段は出会うことの少ない「働く大人たち」との語らいから、「働くことの楽しさ」や「人生の選択肢」を懸命に見出そうとする姿は、見守る者の心にも静かに響くものがありました。

この日のイベントがいわゆる職業体験と大きく異なっていた点がひとつあります。それは、参加した8人が、いわゆる「ひとり親家庭」であるということ。ここには、イベントの発端となった、ある一人の「WANT」が密接に関係しています。

納米と共に、今回のイベントを企画した薄井シンシアさん。「人生を変えるような留学や異文化体験の提供」を標榜するSEKAIAのChief Empowerment Officer(最高エンパワーメント責任者)を担いながら、ひとり親家庭を支援するNPOのアドバイザーも務めている。

ホテルレストランの裏側を体験できる特別なイベント。参加した8人の高校生たちの表情からは、非日常空間で過ごす喜びが感じられた。

多彩な経験を持つ一人の料理人が、
TRUNKへと辿り着くまで。

WANTとは、メンバーそれぞれが自主的に掲げる、叶えたい「想い」や「夢」を表すTRUNK独自の言葉です。このイベントのきっかけとなったWANTの主は、納米恒太。

TRUNK(KITCHEN)でシェフを務める納米は、地元・横浜の専門学校を卒業後、同じく横浜のホテルで料理人としてのキャリアを歩み始めました。宴会キッチン、オールデイダイニング、メインダイニングなどで8年間を過ごし、東京・丸の内にあるオーストラリアキュイジーヌのレストランへと転身。そして結婚を機に、「子どもが生まれる前に、できる限りの経験を積んでおきたい」と考え、都内の複数のプライベートレストランでも研鑽を重ねました。

その後、先輩料理人との縁を通じて再びホテルの世界へ。グローバルブランドホテルのキッチンで世界基準のガストロノミーとホスピタリティを体得し、約7年の在籍期間中にはシニアスーシェフとして料理長代行を担うまでに順調にステップアップを果たします。世界中からゲストが訪れる2020年の東京オリンピックまでは、このホテルで全力を尽くす——。そう意気込んでいた矢先、コロナパンデミックが静かに、しかし確実に、この世界を変えていきました。東京五輪の一年間の開催延期、緊急事態宣言の発令、日に日に消えゆく街の人影。それでも扉を開け、ゲストを待ち続けた日々を、納米は「当時は精神的にもかなり堪えていた」と回想します。

横浜で生まれ育った納米。料理人としての最初の舞台に選んだのも、地元の、とあるホテルだった。

先の見えない状況にあっても前を向き続けた納米は、次のキャリアを切り拓こうとエージェントにコンタクト。紹介されたのは、これまでとは全く異なる世界。グローバルで顧客企業を抱えるIT企業でした。その日本法人本社内のホスピタリティフロアで専属シェフを務めるという、これまでとはまるで違う環境への挑戦です。面接時は業種も社名も非公開。入社後に自社の評判や業界内での存在感を知るにつれ、「想像していたよりずっと大きい会社なんだな」と実感したといいます。

従業員へのサービスはもちろん、国内外のVIPをもてなす機会も多い毎日。業務の一環で受けたコーチングを通じて自分自身の新しい一面に出会うなど、転職当初は刺激的な時間を過ごしました。ただ、福利厚生部門に所属するという性格上、業務の中心は会食サポートといったルーティンワーク。プライベートの時間も増え、働く環境も申し分ないものでしたが、時が経つにつれ、「料理と真剣に向き合っている」という感覚が失われていっている自分に気付きます。充実しているはずなのに、どこかキラキラしていない——。言いようのない物足りなさが、少しずつ募っていきました。

“ ある日、妻に言われたんです。「最近、楽しそうじゃないよね」って。長く一緒にいるので、何でも見透かされています(笑)。彼女は僕のメンター・オブ・メンター。満足していない気持ちが伝わってしまっていたんでしょうね。良き夫、良き父親でありたいと常に思っている自分にとって、仕事を楽しめていない状態は決して望ましいものではありません。20代の頃のような、「無我夢中で突き進んでいた感覚」を取り戻したいと思ったんです ”(納米)

もう一度、一人の料理人として勝負したい——。ラグジュアリーホテルもプライベートレストランも経験した納米が、次に目指したのはどんな世界か。頭に浮かんだ条件は「今まで経験したことのない面白い場所」。そこで候補に挙がったのがTRUNKでした。ホテルで働く友人を通じて業界の状況にも精通していた納米は、エージェントからの提案に閃くものを感じました。

“ CAT STREETには以前から何度も足を運び、ホテルの個性は知っていました。メイド・イン・ジャパンのホテルで、イノベーティブなマインドも旺盛。ここでなら、きっと面白いことができると直感しました ”(納米)

そして2025年7月、CAT STREETのTRUNK(KITCHEN)のシェフとしてTRUNKに加わりました。

もう一度、一人の料理人として勝負する——。個人経営のレストラン、ラグジュアリーホテルのキッチン、IT企業のホスピタリティフロアの専属シェフと様々な経験を経た先にTRUNKを選んだのは、原点回帰の想いが大きい。

前職時代の仲間と共に——。
自らの生い立ちから始まるWANTを形にしたい。

オールデイダイニングとして、モーニング、ランチ、カフェ、ディナーと終日ゲストを迎え続けるTRUNK(KITCHEN)。その慌ただしい毎日のなかで、業務オペレーションと料理のクオリティ管理を担う納米が、入社後、間もなく掲げたWANT。それが「ひとり親家庭の子どもたちを支援するイベントを開催したい」というものでした。

母子家庭で育ち、「高校生の頃は、将来の夢も漠然としていた」と話す納米。そのWANTには、自らの経験が色濃く映し出されていました。

“ 高校生は、進学や就職など進路に悩み始める時期ですよね。僕が料理の道に進んだのは全くの偶然。ひとり親だったので、自分で料理することも多かった。であれば、料理人として手に職を付けるのもいいんじゃないか、と。同じような境遇にある子どもたちのために、自分にも何かできることはないか。そう思って、このWANTを掲げました ”(納米)

入社からまだ日が浅かったこともあり、「最初のWANTは、何としてでも形にしなければならない」と考えた納米。そこで、信頼を寄せるある人物に相談を持ちかけます。それが、前述のIT企業でホスピタリティ業務を共に担っていた薄井シンシアさん、その人でした。

自身もひとり親家庭に育った納米。似たような境遇にある子どもたちに向けて、自分だからことできることを探すなかで思いついたのが、今回のイベントだった。

ここで少し、シンシアさんの歩みをご紹介しましょう。フィリピンの華僑の家に生まれたシンシアさんは、「女の子に学歴はいらない」という父親の言葉に反発し、国費留学生として20歳で来日。東京外国語大学を卒業後、貿易会社や広告代理店でキャリアを積みます。1989年、出産を機に専業主婦となり、外務省勤務の夫と共にリベリアやタイなど5カ国を渡り歩きながら、20年間を子育てに捧げました。

転機が訪れたのは娘の大学進学のタイミング。47歳の時でした。タイ・バンコクにあるインターナショナルスクールのカフェテリアで仕事に復帰すると、圧倒的な行動力で瞬く間に管理職に。52歳で日本に戻ると、会員制ソーシャルクラブの電話受付の仕事を経て、大手ホテルに入社。3年で営業開発担当副支配人まで昇進します。その後、外資系ラグジュアリーホテルを経て、2018年に大手飲料メーカーの東京オリンピックホスピタリティ担当に就任。しかし、コロナパンデミックの影響でオリンピック縮小が決まり失職。スーパーマーケットでのパートを経て、62歳で外資系ビジネスホテルの日本法人社長に就任します。さらに63歳の時に大手IT企業に転職し、社内のホスピタリティフロアを取り仕切りました。納米と肩を並べて働いたのはこの時です。

現在は「人々にLife Changing Experienceを提供し続ける」をミッションに掲げるSEKAIAで、あらゆる人の可能性を後押しするChief Empowerment Officer(最高エンパワーメント責任者)として活躍する傍ら、シングルマザーを支援するNPOでアドバイザーも務めるシンシアさん。長いブランクを力に変え、自らのキャリアを力強く切り拓いてきた姿は、現在進行形で多くの人に勇気を与え続けています。

ホテル業界から、まったく異なる世界への転身——。その共通点が、二人の距離を縮めました。転職初日のシンシアさんに納米が声を掛けたのをきっかけに、親交を深めていきました。

“ (納米)恒太さんと私は、どちらもホテル業界出身で、全く知らないITの世界に飛び込んだ仲間。私がイベントをオーガナイズし、恒太さんがサービスを担当する。一緒に仕事をすることはそれほど多くはありませんでしたが、何かと声をかけてくれるのが嬉しかったですね ”(シンシアさん)

ほぼ時期を同じくしてそれぞれの新天地に旅立った後も、近況を報告し合う関係は続きました。ひとり親家庭の子どもたちのために食のイベントを開催したい——。納米からの相談を受けたシンシアさんは、この申し出を快諾。こうして、ひとつのWANTが実現に向けて動き始めたのです。

同じホテル業界出身という縁から、すぐに意気投合したシンシアさんと納米の二人。互いに転職した後も交流は続き、やがて今回のイベントへつながっていく。

人生を変える体験を届けたい——。
未来のプロフェッショナルのための、特別な一日。

“ シンシアさんとは「いつか一緒に、ひとり親家庭のためのイベントを実現したいね」という話は度々していました。でも、前職在籍時はさまざまな制約があって難しかった。それが、WANTという制度があるTRUNKへと僕が移ったことで現実味を帯びてきました。シンシアさんが手を貸してくれて、会社も応援してくれるなら、もしかしたら実現できるかもしれない——。そう思って相談したのがきっかけです。業務以外の自己目標を掲げ、その実現が評価の対象にもなるというのは、他の会社ではあまり聞いたことがありませんよね ”(納米)

納米がTRUNKを選んだことで、長年温め続けてきたアイデアへの扉を開いたのです。

参加してくれた高校生たちに向けて、イベントの趣旨、そして、その背景にある自らの想いを伝える納米。TRUNKという場所を選んだことが、思い描いてきたアイデアの実現を後押しした。

これまでにも、ひとり親家庭を対象とした食のイベントで実績を残してきたシンシアさん。その根底にあるのは「体験格差」に対する課題意識です。「体験格差」とは「家庭環境、経済力、地域環境などの違いにより、学習、習い事、旅行、キャンプ、文化・芸術などの学校外における子どもの体験に著しい格差を生じる現象」を表した言葉。経済状況によって体験機会に差が生まれる「体験格差」は、将来の選択にも影響すると言われています。ひとり親家庭の子どもたちは、気づかないまま「体験の貧困」のなかにいることも少なくなく、「自分の将来は、自分で決める」という、ごく基本的な意志決定さえも難しくなることがあります。

“ どんな環境で生きていても、心が揺さぶられるような本物の体験は、選択肢を広げる確かな自信につながります。私が以前開催した、ひとり親家庭の親子のための食事会の話をしましょう。その時は15組の親子を招待しました。とっておきのオシャレをして、テーブルマナーを学びながら、ホテルのレストランでコース料理を楽しむ。その素晴らしい体験に触れた子どもの一人が、「自分も調理師になりたい」と決心し、後に調理の専門学校へ進学したとお聞きしました。そう、これが「体験の力」なんです。子どもたちが欲しいのはモノではなく、「別の世界を見るチャンス」なんですよ ”(シンシアさん)

「子どもたちにとっては、体験を通じて『知らない世界』に触れることが大切」と説くシンシアさん。「体験格差」という課題に対し、さまざまなアプローチで取り組んでいる。

実現に向け、納米と共に企画を担ったのが、セールス&マーケティング部の木場瑞季。プログラムを組み立てるうえで木場が最も大切にしたのは、「想いを共有すること」でした。一方的な支援で終わらせず、この一日をいかに心に刻み込んでもらうか。さまざまな角度からアイデアを重ねた末にたどり着いたのが、「一緒に食卓を囲み、想いを分かち合える時間をつくる」という視点でした。食のプロの技を間近で体感し、デザートの盛り付けやドリンク作りを教わりながら、進路や仕事について語り合う——。TRUNKらしいプログラムが、こうして形となったのです。

“ 私の仕事は当日までの準備がメイン。シンシアさんと納米さんがいらっしゃるので、運営に関しては特に不安はありませんでした。今後ここからさらに一段階引き上げるとすれば、宿泊や人事などTRUNKの他部門とも連携して、より深い職業体験の場を提供できたらいいですね。総合的な体験価値を届けられるのが、ホテルという場所ならではの強みですから ”(木場)

納米とシンシアさんの想いを受けて、具体的なイベントへと落とし込んだセールス&マーケティング部の木場。今回の成功の先には、より多くの部門を巻き込んだ体験価値の提供を見据える。

置かれた環境に関わらず、参加してくれる高校生には、プロフェッショナルの世界に触れてほしい——。そうした願いもあり、参加費用は無料に。8名の先着枠は、募集開始からわずか数時間で埋まるほどの反響を呼びました。

そしてイベント当日。サービススタッフを通じて、一人の参加者がもうすぐ誕生日を迎えることを知った納米は、その場の判断でバースデー仕様のサプライズプレートを用意。期せずして、日頃から実践している「ホテルならではのサービス」も感じてもらうこともでき、特別な時間を届けることができました。その時の様子を振り返り、「あの子はね、今日のサプライズをきっと一生忘れないよ」とシンシアさんは目を細めます。3時間のプログラムは、高校生たちの熱意と笑顔に包まれ、幕を閉じました。

コミュニケーションを通じて「おもてなしの糸口」を探すのもホテルスタッフの重要な仕事。期せずして、ホテルらしいサプライズ演出を届けることができた。

次の世代へバトンをつなぐ——。
一人の料理人が、子どもたちに伝えられること。

イベントを終えた納米は、「いい意味で驚いた」と目を輝かせます。

“ 参加してくれた8人は、想像以上にずっとしっかりしていて。自分が高校生だった頃を思うと、正直びっくりしました。僕はただの一人の料理人です。ですが、「幼い頃から鍵っ子だった僕でも、好きな仕事を見つけて頑張っていれば、こうした場所で高校生に向けて何かを伝えられるくらいにはなれるんだよ」と。それが伝わったら嬉しいです。イベントが終わってから、16歳の男の子が「自分もTRUNKで働きたい。何歳から働けますか?」と、聞いてくれたんですよね。彼が自分の夢を言葉にできた、その瞬間に立ち会えただけでも、企画した意味があったと心から思いました。連絡先をお伝えしたので、いつか一緒に働ける日が来るかもしれませんね ”(納米)

高校生にとって、自分の夢や希望を自分の言葉で表現するのは、決して簡単なことではない。イベントを企画した納米や木場にとっても、貴重な時間となった。

高校生たちの成熟度を異口同音に褒めるシンシアさんからは、ホスピタリティ業界に長く身を置く立場からの言葉が続きました。

“ 参加してくれた高校生たちは、とても素直な子たちばかり。それだけでなく、自分の意見をはっきりと持っている。「音楽や芸術など、自分の好きなことはある。でも、それだけで食べていくのは難しいから、ホテルで働いて手に職を付けたい」と話すのを聞いて、私、本当に感心しましたよ。日本の労働力不足は、これからますます深刻になっていきます。ホテル業界にとっても、優秀な人材の確保は大きな課題。その意味でも、今日のイベントには大きな価値があります。今日のプログラムに参加してくれた高校生が「ここで働きたい」と思って、近い将来、TRUNKに入社してくれるかもしれないでしょう! 企業のCSRプログラムは、経営課題を見据えてプランニングする時代に入っていると思いますよ ”(シンシアさん)

高校生との語らいのなかで、将来に対するしっかりとした考え方に関心したと話すシンシアさん。これからのCSRについては、「単なる慈善活動や社会貢献ではなく、経営課題を踏まえた施策が求められる」という示唆も。

ホテルで働く魅力とは何か——。「ホテルで働く人たちには温かみがある」とシンシアさん。お互いに助け合うことが当たり前のホテルの世界。「ホテル業界で成功する人は、きっとどこへ行っても困らない」という言葉には、多様な経験に裏打ちされた説得力を感じます。納米もまた、「シェフ目線で言うと、レストランであれば食一本でのおもてなしですが、ホテルであれば、あらゆるコンテンツを通じてゲストに特別な体験を届けられる」と、ホテルのシェフという仕事が持つやりがいを語ります。

最後に聞いたのは「これからの夢」。

“ シングルマザーを支援するNPOでも活動しているので、今日のようなイベントは今後も開催していきます。私の夢は、その場に恒太さんに来てもらって、自分の経験を話してもらうこと。どのように考え、どのように行動して料理人になったのか——。恒太さんもひとり親家庭で育ち、いまはこうして料理のプロフェッショナルとなって、立派に身を立てています。そのプロセスを聞いた子どもたちは、きっと勇気をもらえるはずです。ぜひ実現したいよね ”(シンシアさん)

TRUNKでの最初のWANTを叶えたいま、納米が最も関心を寄せるのが「チームメンバーのWANTの実現」。TRUNK(KITCHEN)の仲間たちがWANTを叶えられるように、できる限りのサポートをしていきたいと話します。「IT業界のトップランナーという異質な世界での経験は、マネジメントやリーダーシップにも活きている。料理の世界だけに身を置いていたら、おそらく学ぶことはできなかった」という納米。TRUNKはいま、まさに次の成長フェイズへと踏み出すタイミング。さらに新しい挑戦が生まれていくことでしょう。

いつかは夫婦の夢である「子ども食堂」も開きたいと話す納米。その言葉には、WANTに託した想いが凝縮されていました。

“ 目標に向かって頑張っている若者に、腹一杯ご飯を食べさせたい——。それが僕と妻の二人の夢。今回のWANTの実現が、将来の夢につながったらいいですね。妻もきっと喜んでくれていると思います ”(納米)

未来を切り拓く強い意志と、常に新しい経験を求める行動力が、料理人としての成長を支えてきました。自らの境遇を決して悲観することなく、その経験を通じて、次世代を担う子どもたちに夢を届ける——。その言葉はきっと、見えない将来を前に立ちすくんでしまう彼らにとって、小さいながらも確かな輝きを持った「希望の燈」になるはず。世代を超えてつながれるバトンには、子どもたちを想う深い愛情が詰まっていました。

一人のなかに湧き上がった願いが、まだ見ぬ誰かの力になっていく。TRUNKでは、これからも新たなWANTが次々と芽吹き、色とりどりの花を咲かせることでしょう。

WANTから生まれたTRUNKらしいイベントを実現した3人。参加してくれた高校生たちの心に残る、素晴らしい時間を届けられたことだろう。次は誰のWANTが形になっていくのか。楽しみは尽きない。


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これからのTRUNKを一緒につくる仲間をお待ちしています。

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