こちらは19世紀末に建てられ、2002年まで刑務所として使用されていた歴史的建造物を、オリジナルの階段や高い天井の廊下などを残しながらリノベーションし、2007年にオープンしたホテルです。

厚い赤レンガの壁に囲まれた外観で、106の客室があります。古い独房は現在、設備の整った快適なベッドルームとモダンなバスルームとなっており、各部屋、クラシックモダンのデザインで上手にリノベーションされています。

刑務官達の部屋はプレイルームへ、廊下などの共有部分はラウンジやコミュニケーションスペースに転用していました。

最も印象的だったのは、当時のまま残された独房です。

二種類の独房があり、ひとつ目は映画や漫画で登場していたような、記憶にある部屋と大体同じでしたが、もうひとつの独房は想像を絶する空間でした。

部屋の仕切りが無く、まるで洞窟の中にいるようで、一切の光が入らず、ベッドも無く、床や天井といった人が生活するための機能がまるで無いスペースでした。もしあそこに閉じ込められたら、精神的におかしくなってしまうのではないかと思うほどでした。

余談ですが、実は日本でも刑務所を何かに変えられないかという自治体からの問い合わせをいただくことが増えています。理由は国内における刑犯罪者数が圧倒的に減少した事で刑務所が余っている状態にあるからだと言えるでしょう。

そういう経緯もあって、我々も既存施設のコンバージョンを検討するために、他国の事例を調査しようとここを視察に訪れたわけです。

他にも刑務所ホテルを視察しましたが、結論、刑務所をホテルにしなくても良いかなと思いました。

理由は自分が行きたいと思えないからです(笑)

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