私はTRUNKの人材開発部に所属し、主に新卒社員から中途、アルバイトの採用と育成、また人材育成におけるカリキュラムの策定や会社の理念浸透に対する社内活動など、「人」に関わるありとあらゆる業務に携わっています。

与えられたチャンスを自ら閉ざすことなく、挑戦する。

TRUNKに入社する以前は、新卒からTRUNKの親会社であるテイクアンドギヴ・ニーズにて、ウエディングのサービス部門で働いていました。その後、2014年に当時の最新店舗であった「TRUNK BY SHOTO GALLERY」に異動し、野尻社長直下の部署であったTRUNK事業部という部署に配属となりました。

TRUNK BY SHOTO GALLERYでは、従来のウエディングの既成概念に捉われることなく、新しいことにチャレンジし、メンバー自ら考え、業務を実行していくことを学ばせていただきました。今まで自身が培ってきたウエディングのサービスとは、考え方が180度変わり、完成されたルールや方法ではなく、0から1を生み出す大変さを初めて味わった経験となりました。今思うと、その時の経験があったからこそ、会社としても新たな挑戦であったホテル事業の立ち上げに、メンバーのひとりとして、お声掛けいただけたのではないかと思っています。

当時は、自分がホテル事業に関わることなど想像すらしていなかったので、TRUNKへ異動することへの明確な志望理由はありませんでした。しかし、過去の自分の人生を振り返ってみると、自身の長期的なキャリアビジョンを明確に描いたことが実はなく、その時求められた場所に、2つ返事で「行きます!やります!」と自分なりに応えてきたように思います。与えられたチャンスを自分で閉ざすことなく、まずはやったことのないことでも踏み込んでみる。挑戦してみる。その環境を楽しむ。というスタンスを常に大事にし、より多くの成長機会をいただけることに感謝するようにしています。

そうした中で、TRUNK(HOTEL)の準備室に異動し、担当となったのがTRUNK(LOUNGE)の立ち上げでした。準備室では、何も分からないながら、開業に向けて機材や食材の選定、オペレーション構築、人員管理など、TRUNK(LOUNGE)に関わるありとあらゆる業務を経験させていただきました。

「お前のサービスはつまらないな。」という、社長からの忘れられない一言。

TRUNK(HOTEL)がオープンして間もなく、TRUNK(LOUNGE)で勤務している際の忘れられないできごとがあります。ある日、TRUNK(LOUNGE)に、ゲストとして来ていた野尻社長から「お前のサービスはつまらないな。」と言われたことがあります。自分としては、丁寧な言葉遣いで、かつ笑顔で接客していましたし、ましてや、今までウエディングの現場で多くの経験を積んできて、ある程度自分自身のサービススキルにも自信がありました。当時は言われている意味が全く理解できずに戸惑ったことを覚えています。

その答えを私に教えてくれたのは、当時TRUNK(LOUNGE)で、一緒に働いていた仲間でイタリア人のバーテンダーでした。彼のサービス概念には、いわゆるルーティンのように決まったものはなく、常にオープンマインドで、第一印象から、お客さまがどのような人なのかを観察し、挨拶の仕方まで、それぞれのお客さまに合わせて工夫をしていました。例えば、丁寧に目と言葉だけで挨拶をする場合も当然ありますが、声高らかに話しかけ握手をする場合もあります。また、常連のお客さまに関しては、一声かけた後にハグをしてお迎えをするなど、その時々で状況を判断し、挨拶の方法すら変えているようでした。そんな彼の接客を隣で目の当たりにする中で、「つまらない」と言われた理由が初めて、腹落ちしたような感覚がありました。

改めてTRUNKらしさとは何なのか、TRUNKがやりたいこと、表現したいことについて自分自身が深く考えた時期となりました。TRUNK(LOUNGE)での接客経験、そこでの気づきを生かし、今では多様な仲間を裏でサポートをしていく人事として、固定概念に捉われることなく、その時その時の状況変化や仲間の表情ひとつひとつに目を向けて、コミュニケーションを取ることを心掛けています。

その日、一番初めの「挨拶」を大切に。

私は今、人事という役割を担う上で、そしてそれ以前に、人として心掛けていることがあります。それは、向き合う仲間や出会う人とのその日、一番初めの「挨拶」です。基本的には、上司や同僚、部下に対しても自分から先に挨拶をするように意識をしています。

シンプルに自分が相手にされて嬉しいですし、その日の一日が気持ち良いと感じるからです。また、「その日」の「その瞬間」によって、相手がどんな状態なのかを観察し、些細な変化にも気づけるようにしたいと思っています。特にTRUNKは、さまざまな職種や国籍のメンバーが集まっている組織です。挨拶は、全世界共通のコミュニケーションとして、能力や経験を問わず、誰でも行うことができる基本中の基本です。だからこそ奥が深く、変化に気づくことさえできれば、その後の取るべき行動が変わり、仲間のサポートにいち早く尽力できるひとつの方法だと考えています。

また、TRUNKでの担当領域は、人事業務の中でも、採用と教育を主担当としています。新卒採用においては、多くの他企業で行われているような分業制ではなく、TRUNKにフィットする人材を自ら積極的に探し、リクルーターとして採用フォローし、入社後の研修や本配属までのオンボーディングの教育を専任で行うことができています。採用に携わったメンバーが、配属後の部署で活躍しキャリア形成をしていく姿を見ることは、大きなやりがいを感じると同時に、学生から社会人になる、その子の人生において大きな節目となるできごとに対し、採用をして会社として請け負う責任を感じ、毎年身が引き締まる思いです。

今後も、人事領域にてTRUNKという会社の掲げるビジョンを達成するために、未来ある人材の発掘と魅力溢れる会社づくりに貢献していきたいと思います。

日々生み出されるメンバーの「WANT」と、メンバーの挑戦を根底で支える「人事制度」

TRUNKは、ヒト・モノ・コト・空間・サービス、どれをとっても「ワクワク」を感じることができ、たくさんの魅力をもつホテルであり組織だと思っています。その中でも、TRUNKで働くメンバーとして、2つの魅力を挙げさせていただきます。

ひとつ目の魅力としては、ホスピタリティ業界の当たり前や固定概念を持つことなく、メンバーの「WANT(やりたい)」をカタチにできる組織であるということです。例えば、メンバーのWANTを叶える環境を整える取り組み事例として、商品やサービスの企画に強みをもつメンバー自らが講師となり、WANTをカタチにするための「企画力向上プログラム」という実践型の社内研修を実施しています。その他にも、TRUNKではメンバーから自発的に生まれたさまざまな取り組みや社内プロジェクトが存在します。

2つ目の魅力としては、その社員の挑戦を根底で支えている人事制度(環境)があるということです。例えば、「Be Trunkers」という成長支援制度や、自身のキャリアや成長機会をつくることを目的に、異動申告ができるだけではなく、スカウティング機能も備えた「TRUNKドラフト会議」という制度も採用しています。また、その制度がただの名ばかりの制度ではなく、社内で適正に「運用」ができていること。それがTRUNKの強みでもあり、どの制度も、実際に働くメンバーのことを一番に考えているTRUNKらしい取り組みだと思います。

※前記事参照:https://www.trunk-base.com/trunkers-talk/column/33/

日本の代表的なブティックホテルといえば、TRUNKと言ってもらえることを目指して。

現在TRUNKは、1店舗目のホテルであるTRUNK(HOTEL)を開業し、まもなく5年目を迎えます。TRUNKが目指すのは、ホスピタリティ業界にイノベーションを生み出し、日本・東京の観光価値を高めること。ブティックホテルという日本にまだない市場を確立させることです。私自身としても、さまざまなWANTをもつ中で、ひとつ、新卒採用の観点から目標にしていることがあります。それは、日本の代表的なブティックホテルといえば、「TRUNK!」と言ってもらえるようにすることです。

私が新卒採用を担当している中で、学生の皆さんに必ず投げかける質問があります。

「ビジネスホテルの代表的なホテルはどこですか?」「ラグジュアリーホテルの代表的なホテルはどこですか?」

この質問をすると、必ず上記カテゴリーの代表的なホテルの名前が学生の皆さんから挙がってきます。それでは、「ブティックホテルの代表的なホテルはどこですか?」と質問を投げかけると、学生の皆さんの表情が一転、「???」という反応が返ってくるのです。これが今のTRUNKが置かれている現状なのだと思います。だからこそ、今私たちは、ブティックホテル市場を日本で確立するために事業を行っており、5年先、10年先の新卒採用で同様の質問をしたときに、「TRUNKですよね!」と言ってもらえるよう、会社として、ホテルとして成長していきたいと思っています。そのために、私自身もメンバーが業務に集中できる環境を構築し、内側からサポートできるようにしていきたいと思っています。

※取材撮影のため、マスクを外して撮影をしています。

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