オマーン語でアリラとは「驚き」。アルハジャール山脈の中央、標高2000メートルの高地に位置している、文字通り、驚きのホテルです。

空港からは車で3時間かかります。やっとたどり着くこのホテルに、ゲストは泊まることだけを目的として来るのです。

昨今、価値観の多様化によって、旅そのものの在り方や、ラグジュアリーの捉え方も大きく変化しています。実際、欧米を中心に、何を得たいのか、目的を定めたPURPOSE TRAVEL (パーパストラベル)や、PURPOSE TRIP(パーパストリップ)と呼ばれる新しい旅行のスタイルが増えています。ここはまさしく、パーパスを持って訪れていただきたい場所です。

日本からのアクセスはトランジット含めて約20時間。かなりロングフライトでしたが、ホテルに到着するとその疲れも吹き飛ぶほどの驚きと感動がありました。

私が泊まったのはプール付きのヴィラタイプの部屋で、どこを見渡しても一面が爽快な山景色に覆われています。自然をそのまま活かした幻想的でダイナミックな風景が広がっています。

古代の要塞をイメージした建築で、地元で採掘した石や木を混ぜ合わせて造られていたり、地下の用水路を用いた水道システムがあったりと、サステナビリティも意識されたつくりです。

山地のトレッキングやクライミングがアクティビティとして有名ですが、私はあえて何もせずのんびりと部屋で過ごしていました。

何もしないで、景色を観て過ごす事が一番の贅沢に思えたからです。

スタッフはバングラディッシュ、パキスタン、ネパールなど、様々な国の出身の方がいて、とても親切です。施設内にキッズクラブもあり、子ども連れでも安心して過ごせます。

旅慣れたゲストが多く、夜のバーは互いが持っている旅情報を交換する憩いの場にもなっていて、そこはまさに秘境の地のコミュニティでした。

私がそこで出会った老夫婦からは、ニュージーランドやスンバ島の情報をもらいました。秘境の地で出会う旅人達はネットや情報誌に掲載がない、更なる秘境の地を求めて旅しているのです。

館内にはジムやプール、インドアジャグジーの他、チルスペースが沢山あり、どこからでも美しい景色を見ながら寛げます。

ちなみにヨガやトリートメントは絶景を望める場所で施術が行われるため、もちろん大人気。利用される場合は、予約を早めにするのをおすすめします。

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