世界屈指のミュージック&ダンスの聖地でもあるイビサ島のレイブ・イベントに、日本から初めて参加する人の多くは、ビーチ沿いの宿を選ぶと思います。(実に、ビーチから少し離れた場所にあるこちらのホテルを知っている日本人は少ない。)

ここは、イビサ島の西海岸にある、イビサ・タウンに次ぐ大きな街、サン・アントニの外れに佇んでいて、イビサのランドマークと言われるほどアイコン的な存在。一昔、セックス&ドラッグといったイビサの快楽主義を象徴するホテルとしても有名だったそうです。(オーナーの息子が亡くなった後に売却され、2011年に改装されています。)

売却されてオーナーが変わったものの、今でも過去の名残があり、昔からイビサで遊び慣れている常連達が集う場所となっています。

それもそのはず。ここは、もともと今は亡きイビサのレジェンド、トニー・パイクが、1978年に島に訪れて間も無くして購入した15世紀の古い石造りの農家。そこを、長い月日をかけて改装し、ホテルに生まれ変わらせたのです。(なんと、当初は、電気や水道が通っていなかったそうです。)

フレディ・マーキュリーが定宿にしていたなど、世界中のミュージシャン達に支持されていたこともあり、オリジナリティに富んだ部屋ばかりです。

客室数は 26 室と少ないのですが、敷地が広く、クラブやチル・スペース、瞑想ルームやラボ(研究室)、ガーデン、プール、テニスコートなど様々な施設が備えてあり独特な空気が流れています。また、館内には数多くのアートが散りばめられていますが、常連客のアーティスト達が定期的に作品を飾ったり、メンテナンスをしています。

世界中のクリエイティブに長けた人達がこのホテルを居心地が良いと評する要因のひとつは、自分達が過ごしやすいように、空間を自由に変えてもよろしい!という常連達の暗黙のルールがあるからでしょう。

客室内、屋外、レストラン、コミュニケーション・スペースなど至るところにミラーボールが 設置されており、いつでもイビサらしい「Let’s dance(レッツ・ダンス)」な空間にスイッチできるように工夫されているのも特徴です。

ちなみにホテルのエントランスには、「YOU CAN CHECK-IN BUT YOU CAN NEVER CHECK-OUT」(チェックインは出来るけど絶対にチェックアウトできないよと、いう意味)とメッセージが壁面に描かれています。

その言葉の通り、皆さん訪問する時はお帰りにお気を付けください(笑)

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