訪れたのはベトナムのAmanoi。今回の滞在は家族も一緒でした。
2013年、ヴィン・ヒー湾を一望できる海と山に挟まれた秘境に誕生したのが、アジアで10番目のAMANである、このAmanoiです。世界でその名の知られるホテリエ エイドリアン・ゼッカが創業したAMANは「都市の喧噪から隔絶された避難所」がコンセプト。このAmanoiも都市部から離れた目的型滞在を実現しています。世界各地のAMANの名称は「AMAN+α」で構成されることが多いですが、Amanoiの「oi」はベトナムの言葉で「場所」「所処」といった意味を持つとのこと。AMANがサンスクリット語の 「amaṇa (平静・静寂)」に由来するので、Amanoiは「静かな場所」「安らぎの地」といった意味合いになるそうです。
Amanoiが隣接するヌイチュア国立公園は、2021年にユネスコの世界自然遺産に認定されています。網目状に広がる広大な森、珊瑚が暮らす豊かな海、1,500種の植物と756種の生物を育む生物多様性が、この地の自然環境をかたちづくっています。この保護区内には今も手付かずの大自然があふれており、毎日の都市生活で忘れかけていた感覚を取り戻させてくれます。カムラン国際空港から車で約75分とかなり時間もかかるのですが、それだけの時間と労力をかけてでも訪れる価値があるホテルだと思います。「簡単には辿り着けない」というのも、Amanoiの持つ神秘性に一役買っているのでしょう。
Amanoiの建築を担当したのは、AMANと共に多くのホテルを手掛けているパートナーであるDenniston Architectsのジャン=ミシェル・ギャシー。デザインにはベトナムの伝統的家屋を現代的に再解釈した表現が数多く取り入れられ、瓦屋根風の形状、大きく張り出した庇(ひさし)や軒先、三角屋根のモチーフなどがその代表的な意匠となります。崖上、樹林帯、湖畔、ビーチなど、Amanoiの敷地内に見られる個性的なロケーションを活かす形で36の宿泊棟が配置され、各棟が互いに重なり過ぎず、美しい眺望を遮らないエリアプランニングを実現しています。自然と人工構造物が絶妙に融合した景観が実に見事です。
宿泊棟にはPavilionとVillaの2つのタイプがあります。Pavilionはいわゆるスイートに近いもので、Amanoiにおける基本のゲストルーム。すべてが独立した造りとなっており、AMANらしい静謐な建築美が堪能できます。一方のVillaはPavilionに比べてよりラグジュアリーで、長期滞在にも適したプライベートヴィラです。私たちが選んだのは1,000㎡を超える広さを持つVilla。25mプールのあるリビング棟、マスタールーム棟、ゲストルーム棟が備わっており、滞在中の身の回りのケアを担ってくれる専属バトラーも付いてくれました。滞在中、少し体調を崩してしまったのですが、バトラーがジンジャーティーやスープを用意してくれて、その温かい気遣いが嬉しかったですね。
ここでは驚きの出来事もありました。2年前、Aman New Yorkに滞在した時、サウナマスターによるアクティビティに参加したのですが、なんとそのレジェンドがベトナムにいらっしゃったのです。久しぶりの再会に感激し、家族と一緒に彼のクラスに参加して心と身体を整えていただきました。他にもクッキングやペインティングなどのエクスペリエンスクラスにも参加。これも素晴らしい体験となりました。
Amanoiの施設内にはメインプールやビーチクラブ、バー&ラウンジ、スパなども揃っており、長期滞在のツーリストでも飽きることがありません。AMANが好きな方はご存知かもしれませんが、AMAN JUNKIEと記されたノベルティTシャツもいただき、こちらも良い思い出となりました。
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