私がTRUNKで働く理由:清水匠の場合

私がTRUNKで働く理由

2025.05.20 CORPORATE

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私がTRUNKで働く理由:清水匠の場合

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「TRUNKらしさ」をかたちづくるのは、多彩な個性を持ったメンバーの存在です。TRUNKで自分らしく働くことができるのはなぜなのか。一人ひとりの「いま」にスポットを当て、その想いを掘り下げます。話を聞いたのは、飲食店プランニングのプロフェッショナルである運営企画推進部・清水匠。多種多様な食空間を手掛けてきた豊富な知識と経験を活かし、TRUNKでしか成し得ない新たな飲食店の姿を追い求め続けています。CREDOを大切にしながら未だ見ぬ食体験を届けようとする彼が、常日頃から大切にしていることとは何か。ぜひ耳を傾けてみてください。

生粋の料理好き、
TRUNKに出逢う。

私は男三人兄弟の長男。両親が共働きだったこともあり、弟たちに食事を作る機会も多く、早くから料理に対する興味を抱いていました。自分が贔屓にしていたレストランのパスタを完全再現するなんてこともありましたね。今でも家族の料理はほとんど私が作っています。

調理師専門学校を卒業した後の20代の10年間は、洋菓子の有名店が手掛ける老舗レストランで修行の日々を過ごしました。23歳の時、当時最年少で「焼き」という持ち場を任された頃から「もっと仕事ができるようになりたい」と考えるようになりました。30代になった頃から、伝統の味を守るだけでなく「何か新しいことをやってみたい」という気持ちが高まり、飲食業にも強いアパレル企業の門を叩きました。そこではカフェやレストランの商品企画開発や新店舗の立ち上げなどを経験しました。自分の目標として、店舗のマネジメントに長けたシェフに留まることなく、ブランド全体の価値向上に貢献したいという気持ちが強かったんですね。

その後、飲食業のコンサルタントとして独立し、クライアントも抱えていましたが、将来を考えて再就職を決意。そのタイミングでTRUNKを紹介されました。当時、渋谷を拠点とするアパレル企業に在籍していたので、TRUNK(HOTEL) CAT STREETのことは開業当初からもちろん知っていました。圧倒的にスタイリッシュ。それが最初に受けた印象でした。今では誰もが自然に足を踏み入れることができるフレンドリーな雰囲気になりましたが、あの頃の自分にとっては少し敷居が高く感じる部分もありましたね。それほどまでにおしゃれに感じました。TRUNK(LOUNGE)をはじめとした素敵な空間でごく自然体に振る舞っている方たちを憧れの眼差しで眺めていましたね。

ここに飛び込んだら自分に何ができるのか。TRUNKの価値を高めるためにどんな貢献ができるのか。その点を真剣に考えました。特に心惹かれたのがブランドエクイティ(ブランドのあるべき姿)で、私は元々、異端児や一匹狼的な雰囲気に魅かれる部分があったため、TRUNKとの価値観の共鳴を感じたのだと思います。ブランドをより深く理解したいと思い、それこそこのTRUNKER’S TALKの記事を端から端まで隈なく読み込んだことを覚えています。そこに自分が登場しているのは少し不思議な気持ちです。

TRUNKだからこそできる
飲食店のあり方を追い求める。

現在は運営企画推進部で飲食業態の企画・開発を担当しています。私の仕事は大きく分けると3つのフェイズに分かれています。どのような種類の飲食店にするのかを検討する業態企画、その飲食店で提供する料理やサービスを検討する商品企画、店舗空間の最適化を検討するゾーニングおよび設備企画です。

業態を決定する段階では、立地、集客方法、入店動機などを考慮しながらコンテンツデザインを組み立て、「入店から退店まで、どのように過ごせる店舗であるか」をイメージして企画します。来店して欲しいターゲット像を描き、そのゲストに対して提供すべきメニュー構成、スタッフの服装やサービス、BGMや照明などの空間演出、厨房のあり方、スタッフの動線、最適なテーブルサイズ、食器やカトラリーのデザインやサイズ、食材の仕入先など、その店舗を構成するあらゆる要素を徹底的に練り上げます。ホテルを構成する一つのコンテンツとしてどのようなシーンを提供できるか。世界中の素晴らしいホテルに負けないものが作れているか。あらゆる視点から考えてプランニングに当たります。「商品」「サービス」「雰囲気」「価格」。飲食店はこの4つの観点のバランスによってゲストの満足度が決まると考えているので、その全てに妥協することなく向き合っています。例えば、漫然と業務的に淹れられたコーヒーと、作り手の想いが込められたコーヒーでは、きっとその味は違うはずですからね。

ゲストが過ごしやすく、スタッフも働きやすい。その上で、コストや物理面積も想定の範囲内に収まっている。このあたりの折り合いをつけるにはどうするか。そうした悩みは常にありますね。それでもやはり、TRUNKで過ごすたくさんのゲストやスタッフの笑顔を見てきているので、「働きたくなる飲食店を作りたい」「TRUNKのブランド価値を高めたい」という想いで日々、構想を練っています。すべてのバランスを取ることは非常に難しい。だからこそ、チームメンバーとの対話を繰り返しながら、自分たちが本当に納得するまで作り込んでいくのだと思います。

そのためにも、トレンドの把握、事前調査、成功事例の視察などは欠かせません。感覚的につかむだけでなく、商品、サービス、雰囲気、空間デザイン、価格などを定量的にも観察し、事実を収集しています。その情報から仮説検証し、自分たちの企画を磨き上げていきます。いろいろな方々とのつながりも大事にして、話したり、遊んだり、お互いの興味関心を共有したりするなど、日々、面白いことはないかなと考えながら過ごしています。

困難に向き合った時、
立ち返るのは常にCREDO。

今、私たちが集中的に取り組んでいるのは、ともに2027年開業予定の札幌と渋谷のプロジェクトです。札幌のホテルのオールデイダイニングは、朝はモーニングビュッフェ、夜は高級価格帯のレストランになる予定。バンドの生演奏を楽しめるミュージックラウンジや、優雅な時間を楽しめるアフタヌーンティー、レセプションに併設されたバーなどもプランニングしています。このホテルのシグニチャープレイスは、サウナやジャクジーなど豊富なコンテンツを用意した唯一無二のスパ。その魅力に負けないだけの飲食コンテンツを揃えるべく、気合いを入れて臨んでいます。渋谷のホテルではステーキレストラン、飲茶レストラン、ラウンジ、ルーフトップバー、プールバーなど多彩な飲食店をご用意する予定。いずれも詳細をお伝えできる日が来るのが楽しみですね。

他にも企画進行中のものがあるので、それらを全て数え上げると合計で20近くの飲食コンテンツに関わっていることになります。数々のコンテンツを同時並行でプランニングしていくので頭の切り替えは大事。一日のなかで時間を分ける、曜日で区切るなどの工夫をしています。これはこちらの引き出しへ、あれはあちらの引き出しへとアイデアを整理し、あるコンテンツのことを考える時にはそれに関連した情報が入った引き出しを開けてアイデアを取り出すというイメージですね。コンテンツごとにアイデアを整理してはいますが、業態が異なるとしても同じ知識が活きることもあるので、決してブツ切りになるわけではないんですよね。飲食という共通項があるので、マルチタスクで進めることが良い結果につながることもあるんです。飲食店のプランニングに限らず、良いものを求めればどこまでも突き詰めることができます。でも、どこかで終わらせないといけない。自信を持って終わらせることができるために、CREDOにある「95%から勝負する」ことを常に意識していますし、仮にその時にやり残したと感じたことがあれば、次のプランニングに活かすようにしています。

TRUNKにおける飲食コンテンツを開発するにあたり、他とは圧倒的に違うと感じるのがやはりCREDOの存在です。CREDOで言語化されている20の項目は、若い頃から自分が抱いていた想いにも通じるところがあり、何か困難と向き合った時にはいつでもCREDOに立ち返って自分を見つめ直すように心がけています。意識せずとも凡事徹底を体現できる、そんなTRUNKERになりたいですね。

人と人との化学反応を起こす触媒になる。

CREDOのなかでも、私が特に大切しているのが「仲間になる」。アイデアを出しあったり、鼓舞しあったりすることはとても重要です。時に摩擦が生まれることもありますが、それも含めて研鑽を重ねています。私は「仲間を巻き込みながらチームで作っていくこと」を意識しています。それは、一人ひとりの個性や考えがケミストリーを起こしてアイデアが形になっていく方が、双方にとって面白いんじゃないかなと思っているから。私一人では難しくても、誰かと一緒になれば実現できることはたくさんあります。人と人とをつなげることで、それぞれがTRUNKにとっていいものをつくれたらいいですよね。自分から枝を伸ばして、その先の実が成り、そこからさらに枝が伸びて、大きな樹のようなコミュニティができる。そこに私たちのDNAが加わって面白いものができていく。TRUNKに対してはそうしたイメージを持っています。

元々所属していたTRUNKアトリエのメンバーは、バックグラウンド、経験、仕事の軸、大事にしているもの、何もかもが異なる多様な専門職の集まりで、それぞれの視点、考え方、感性などが刺激になりました。一方で、お互いの感性を擦り合わせて折り合いをつけていくことが必要になる場面もありました。飲食部門は私ともう一人のメンバーの二人のチームで、運営企画推進部に異動してからも、日々互いの考えやイメージを共有していますが、お互いに何でも言い合える、そうした仲間がいることは心強いですね。

TRUNKにはレストラン、宿泊、婚礼とそれぞれ担当者がいますが、飲食企画はいずれの部門とも深い関わりがあるので、ホテルの現場を運営するチームとのコミュニケーションは不可欠。企画側と運営側、それぞれの考え方や事情もあるので、いつでもスムーズに意見がまとまるとは限りません。企画側には意図や狙いを説明する責任があると思うので、早い段階から対話を重ね、適切なコミュニケーションを取るようにしています。対話だけでなく、TRUNK(HOTEL) CAT STREETやTRUNK(HOTEL) YOYOGI PARKといった既存ホテルで開催されるイベントに参加したり、各ホテルのコンテンツを積極的に利用することで、働いているスタッフの感覚を学ぼうとも思っています。ゲストの表情から得られる気付きも多いので、これからも現場と接する時間を大事にしていきたいですね。

私には「自分一人で何かを成し遂げよう」という感覚はあまりないように感じます。「職人としての自分」を貫く人もいると思いますが、人を巻き込んでいく方が良いものを創ることができる。それが私のビジョンです。TRUNKのスタッフを見ても、プロフェッショナルな能力やプライドを持ちつつも、自分を押し通そうという人は少ない気がします。TRUNKの仲間たちは、ゲストやスタッフに対する愛情が深いのかなと思っています。ホテルとしての規模が大きくなるとどうしても無機質になりがちですが、そうはならないのがTRUNKならではの魅力ではないでしょうか。

アイデアをかたちにするために、
あらゆるジャンルにヒントを求める。

私自身のWANTは「面白い飲食コンテンツのアイデアを考え、それを形にして収益を生み、ゲストとスタッフを笑顔にすること」。アイデアは何よりも重要です。今はまだここには無いものを描くことが多いので決して上手くいくことばかりではありません。もちろん、最初から正解が見えているわけでもありません。アイデアのイメージを作り、解像度を上げ、可視化し、言語化する。自分で考え抜き、どう伝えるか。それを常に考えています。感覚的な部分もあるので、近しいビジュアルや事例を探すなどの工夫も必要です。アイデアを提案する時には徹底的にロジックを組み、いくつものパターンを試行錯誤することもあります。

当然、アイデアを形にするには何枚もの厚い壁を超えていかなくてはなりません。そのために、質の良いインプットを増やし、自分で感じ、情報を分析することを心掛けています。ホテルに取り組むのはTRUNKに入社してからのことだったので、インプットの方法も明らかに変わりました。企画の精度やこだわりの強さ、唯一無二を作るということを大事にしているので、多彩なジャンルにヒントを求めています。料理、ファッション、音楽、TVゲームなど、自分がなぜ面白いと感じたのかと考えながら、プランニングに活かせる「カケラ」を探しています。昔に観たSF映画のワンシーンをスパの演出に活かしたいと考えたこともありますね。ホテルの飲食店をつくるからといって、ホテルだけが情報源ではないことは確かです。仕事以外の興味関心や自分の好きなことからインスピレーションを得ることも多いですね。だから「遊び心を持つ」ということも大切にしているポイント。会社や仲間たちから「もっと遊んでこい!」と言ってもらえるのは大変ありがたいですね。

感情と熱量で、
人を巻き込みたい。

人を動かすにはどうすればいいのか。マニュアルやルール、定量化されたデータがあったとしても、最終的に心と心をつなげないことには、理解まではできても納得はできないと思っています。納得できていないと、その人の行動は変わってしまいますよね。論理的に説明することは自分にとっての課題でもあり、ロジックはもちろん必要だとは感じつつも、感情や熱量で仲間を巻き込んでいき、未来をつくる若手や中堅の方たちに対して等身大の言葉で想いを伝えながら一丸となって成功させたいですね。大事なのは対話を通して伝え合うこと。共に体験することで相互理解が深まり、互いのイメージの解像度が上がってきてワクワクしながら進んでいる感じになれば理想ですよね。「美味しさ」という数値化できないコンテンツを扱っているからこそ、感情や熱量の持つ力をより強く感じるのだと思います。

これまでたくさんの飲食店を手掛けてきましたが、いつかは自分の理想とする飲食店を持ってみたいという淡い夢も持っています。イメージは、男性のお客さんがお腹いっぱい食べられる町中華。夜はバーにして友人や地元の方たちが集まる。そんな溜まり場のような場所。その時に自分自身がかっこいいと思える店舗を作りたいですね。でも、今はTRUNKで新しい飲食店を提案し続けることが楽しく仕方がないので、それはまだまだ先の話ですね。


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これからのTRUNKを一緒につくる仲間をお待ちしています。

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