
椰子の木を象った造形で世界的に知られるドバイの人工島 パーム・ジュメイラ。その先端部分に位置するのがこのAtlantis, The Palmです。ここは総客室数が1,500を超えるマンモスホテルで、私たち家族はオマーンを訪れる際のトランジットで1泊しました。ドバイの中心部や空港からも車で20〜30分程度の距離なので移動も便利です。
プラトンが著作の中で記述したアトランティス。その伝説上の大陸を、アラビアの建築意匠と現代的なラグジュアリー感覚によって再現しようというのがこのホテルのテーマ。いわゆるテーマパーク型ホテルのひとつで、建築、デザイン、施設、食体験、アトラクションのすべてが「失われた大陸・アトランティス」という壮大なテーマの下で調和しており、滞在する者の五感と想像力を刺激してくれます。

私たちがこのホテルを選んだポイントはふたつ。まずは、サメやエイなどが泳ぐ巨大水槽「Shark Lagoon」を貫く高さ27m(ビルの9階に相当)の透明なチューブをほぼ垂直に滑り降りるウォータースライダー「Leap of Faith」を体験したかったから(実際にこのスライダーを体験したのですが、あまりに一瞬の出来事でサメを見ることもできませんでした…)。そして、65,000匹以上の海洋生物が棲むアクアリウム「Ambassador Lagoon」のなかにあるゲストルーム「Underwater Suite」に泊まりたかったから。

泊まった部屋はエレベーター付きの大きなメゾネットフロア。インテリアは砂と海をイメージしたカラーパレットでまとめられ、バスルームには大理石や御影石が贅沢に用いられています。マスターベッドルームとバスルームでは、床から天井までの一面の窓越しにアクアリウムが広がります。優雅に泳ぎ回る水棲生物たちは、一日中眺めていても飽きません。水族館が好きな人には堪らないでしょう。

巨大ホテルの館内には、多くの滞在ゲストをもてなすため、多様性のあるレストランが充実しています。
水中に広がるアクアリウム「Ambassador Lagoon」を窓越しに眺めながらミシュランクラスのシーフードを堪能できる「Ossiano」、パーム・ジュメイラとアラビア湾を一望できる「ロイヤルブリッジストリート」にある松久信幸シェフによる本格和食レストラン「Nobu」、ミシュランを獲得した広東料理の名店「Hakkasan」、世界的に著名なデザインスタジオであるJeffrey Beers Internationalが関わり、ロンドン発のグルメグリルとクラシックメニューが楽しめる「Bread Street Kitchen & Bar by Gordon Ramsay」、ラテンアメリカ料理をベースに現代的に再構築したソーシャルダイニング「En Fuego」などがその代表例。実に35店舗以上のレストランやバーが揃い、あらゆる要望に応えてくれます。
私たちが利用したのは、イタリアの郷土料理が楽しめる田舎風トラットリア「Ronda Locatelli」。テラスの近くに子どもたちが滑り台やクライミングで遊べる「Mini Atlantis Playground」があり、家族連れでも安心して食事を楽しめました。

Atlantis, The Palmはあらゆる面で施設が充実していて、ドバイをはじめて訪れる方、特にお子さまと一緒の家族旅行をお考えの方にはお勧めのホテルです。ブティックホテルとは180度真逆の存在と言っても過言ではないホテルですが、滞在してみて、そのアイデアやデザイン、体験の演出などは非常に勉強になりました。

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