800m超の高さ誇るブルジュ・ハリファ、全長3kmに及ぶ水路沿いに高層建築が建ち並ぶドバイ・マリーナ、世界最大の人工島 パーム・ジュメイラ。規模と豪華さで他を圧倒する建築物が作り出す近未来的な都市景観で知られるUAE最大の都市・ドバイ。The Dubai EDITIONは、ダウンタウンエリアにある世界最大のショッピングモール・ドバイモールの中心に位置するホテルで、中東エリアでは2番目となるEDITIONシリーズとして2021年に誕生しました。ドバイ国際空港から車で20分ほどとアクセスもよく、観光にもビジネスにも最適な立地です。

EDITIONは、マリオット・インターナショナルとイアン・シュレーガーが展開する著名なラグジュアリーラインで、シンプルで上質な体験を重視するホテルブランドとして注目を集めてきました。EDITIONにおけるデザインの特徴は「Understated Luxury（控えめなラグジュアリー）」で、派手な装飾やわかりやすい豪華さではなく、素材や光、空間の余白によって豊かさを表現するところにあります。

EDITIONのシグニチャーデザインとしてよく知られているのが、「ホテルは社交の場である」というブランドの思想を反映した「ビリヤードテーブル」と、都市にありながら自然を感じられる演出として多用されている「屋内緑化」。The Dubai EDITIONにはそのどちらも存在しないことに驚きましたが、もう一つの特徴的デザインである「ロビーの螺旋階段」は発見できました。EDITIONらしさが感じられる意匠です。

建築とインテリアを手がけたのは、ドバイを拠点に世界各地で活躍する LW Design Group。ホテル棟は約100メートルの高さを持ち、外壁にはブロンズや天然石、木材を用い、豊かな表情を見せてくれます。ガラス張りのゲストルームにはバルコニーが設けられ、ブルジュ・ハリファやドバイの景観を最大限に取り込む設計となっています。ランドスケープデザインは、米国人造園家のマディソン・コックスによるものです。緑や水を巧みに組み込んだデザインで、都市の中心部にありながらオアシスにいるかのような安らぎを感じさせてくれます。

The Dubai EDITION は食体験の面においても注目を集めています。オールデイダイニング「Jolie Restaurant」、劇場のような内装がドラマチックなモダンイタリアン「Duomo」、プールを囲むテラスでカクテルやフードを楽しめる「Thia Skylounge」、モダンなインド料理を提供する「Masti」、国際色豊かな料理と洗練された雰囲気を持つ「HUSH by Black Star」、そして、和牛をはじめとした高級食材も取り扱う日本料理店「KEN by Kamatsuda」といった幅広い選択肢が用意され、ゲストは気分やシーンに合わせて好みのレストランやバーを選ぶことができます。近年話題の中東のホテルを見ると、どこもジャパニーズフュージョンレストランが入っており、日本食に対する関心が高いことがわかります。

心身をリラクゼーションする施設も充実しています。おすすめは2階にあるプール。サイズ的にもちょうどよく、プール越しにドバイの美しい街並みが広がります。私が滞在したのは秋だったので年間を通じて特に過ごしやすい時期でした。もし数ヶ月前の真夏に訪れていたら、プールサイドのベッドに寝転がることができないほどの暑さだったとのこと。良い季節に訪問できました。

これまでに、上海、ボドルム（トルコ）、ロサンゼルス、カナイ（メキシコ）、シンガポール、ローマ、アブダビなど、世界各地のEDITIONに宿泊してきましたが、このThe Dubai EDITIONも「EDITIONらしさ」が表現されたホテルだと感じました。