
圧倒的な経済力で世界の富裕層の注目を集めるUAEの首長国・ドバイ。ここには数々の高級ホテルが軒を連ねますが、このAtlantis The Royalもそのひとつです。2023年の開業以来、世界中のセレブリティやツーリストを魅了してきました。

建築設計を手がけたのは、ニューヨークを拠点とする世界的建築事務所 ジェームズ・フォン・クレンペラーが率いるKohn Pedersen Fox(KPF)。6つのタワーを段状に積み重ね、スカイブリッジで連結したフォルムは、近未来的でありながら中東の壮大な景観とも見事に調和しています。
外観だけでなく館内にも驚きが詰まっています。エントランスでは、砂漠に降る最初の雨粒を象徴する巨大なスチール彫刻「Droplets」が宿泊者を迎え、世界最大級のクラゲの水槽、ホテルの中庭で繰り広げられる水と炎を組み合わせた噴水ショー「Skyblaze Fountain」など、さまざまな仕掛けが滞在体験を彩ります。

795室の客室が用意され、そのうち102室はスイート。さらに44室には専用プールが備わっているそうです。最も豪華な「ロイヤル・マンション」は、1泊10万ドルを超える世界最高額のホテルルームとして知られ、1,000㎡を超える客室のなかにはプライベートプールやエルメス製のアメニティが揃う、贅を尽くした空間となっています。ショッピングモールも併設され、利便性も言うことなしです。
敷地内には家族用も含めて4つのプールがあり、目的に応じて使い分けられます。私は到着してすぐにルーフトッププールに向かいましたが、あいにくベッドシートが満席。無理を言ってバーカウンターに席を用意してもらいました。プールサイドのベッドシートは一日を通して人気のため、事前予約は必須です。お気をつけください。

Atlantis The Royal の魅力のひとつが、世界トップクラスのシェフによる食体験。17店舗のレストランやバーが揃っています。その一部を紹介しましょう。ミシュランシェフによる革新的な英国料理を味わえる「Dinner by Heston Blumenthal」、地中海の風を感じる空間で新鮮な魚介を中心としたギリシャ料理を楽しめる「Estiatorio Milos」、ライブ感あふれる調理演出で楽しむタパスとパエリアの店「Jaleo by José Andrés」、ペルー料理の巨匠によるセビーチェや海鮮料理の「La Mar by Gastón Acurio」、ペルシャ料理をモダンに再解釈したレストラン「Ariana’s Persian Kitchen」。さらには、松久信幸シェフの世界的ブランド「NOBU」、インフィニティプールを備えたルーフトップバー「Cloud 22」、スイーツ専門の「Little Venice Cake Company」など、食の選択肢に困ることはありません。
そのなかで私は、現代的な中華料理をベースにアジア全般の要素を取り入れたフュージョン料理が魅力の「LING LING」を選びました。チャイニーズレストランでありながらラウンジやクラブの要素も兼ね備えています。ディナータイムから深夜にかけて徐々にクラブ的な性格を強め、食事、ドリンク、音楽や照明の演出を一体的に楽しめる華やかな大人の社交場となっていきます。
プールの一つは「NOBU」が運営しているもので、プールサイドで提供される食事もベッドタオルのロゴも全て「NOBU」で統一されています。「LING LING」での食事の後、カウンター席で一杯だけいただきましたが、多くのゲストで賑わっていましたね。ちなみに、中東のレストランは19時以降からディナータイムがスタートすることが多くなっています。


訪れてみて、まぁ、驚きました。長い間、こうした超大型ホテルを選ぶことは少なかったのですが、規模感、デザイン性、大胆なコンテンツ企画など、ラスベガスやマカオのカジノホテルにも引けを取らない強烈なインパクトがありました。時にはこうしたタイプのホテルに滞在することで、新たな気づきがありますね。
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