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07

2019.01.11

これからのホテルづくりは、
独創性こそが鍵となる。

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ホテル、さらに大きく観光という視点で世界を眺めると、世の中の移り変わりがはっきりと見えてくる。TRUNK社長 野尻佳孝による、市場の動向を踏まえた、ホテルビジネスについての思考。TRUNK(HOTEL)の独創性はいかにして生まれたのか?

発展を続ける観光業の現在地。

 世界の観光業は現在、エネルギー、化学製品についで第三の基幹産業と言われているんです。もはや自動車産業を抜いてしまった。観光業の成長性は20年前から注目されていて、ヨーロッパの国々、特にフランスとスペインは成長戦略をいち早く観光業に据えて成功しています。アジアで言えば、タイや韓国も観光産業へ早く力を入れていた。

 ただ、日本は工業国として圧倒的な勝利を収めた成功体験から、今も工業的なインテリジェンス産業でやっていけるという従来的な思考が根強いですよね。観光業は後進国がやるものだと軽んじていた。だから日本は非常に判断が遅かったんです。

 もうひとつ日本が観光業を軽んじていた理由が、人口の多さです。人口が多ければGDPも高まるし、国内需要だけで食べていける。特殊なマーケットだったんです。2000年代まで訪日観光客は1000万人以下でした。それが観光立国を謳ってインバウンドを呼び込み出したら、2016年には2400万人を超えた。フランスとスペインは1億人を超えていますが、個人的な読みでは日本もあと数年で6000万人くらいまでは伸びると思います。

日本が世界に誇る観光資源とは?

 世界中を回って比べてみても、日本には独自のポテンシャルがあるんです。まずご飯がどこでも美味しい。これだけ低コストで高いクオリティを買うことのできる国はないんです。千円出せば安全安心のクオリティですよね。一万円出したら半端なく美味しいものが食べられる。でもそうではない国がいっぱいありますから。

 それから自然環境でしょうね。四季折々の景色。南北に長い国は、エリアによって全く違う表情を見せてくれる。それから神社仏閣などの文化財や、地域特性の特産物や祭り、風情ある建物や景色、他に伝統工芸など日本独自の文化がある。

日本で増えているホテルの実情。

まだまだ訪日客が増えていく中でホテルの供給はどうなっているかというと、ビジネスホテル、しかも10㎡前後の小さな部屋ばかりが異常に増えている。面白い傾向ですよね。ミドルアッパー以上の人たちをターゲットにしたホテルは増えていないと言われているんです。私たちが挑戦しているブティックホテルは、まさしくその層の方に満足していただけるように考えているわけです。

 ニッチと思われることもあるんですが、インバウンドの旅行客には多様な層が存在していて、世界中のホテル市場を見渡すとブティックホテルを求む需要が多くあると見込んでいます。

求められているのは、創造性溢れる宿。

 日本の宿で高級路線といえば温泉旅館が浮かびますが、最近、時間をつくって泊まりに行くようにしているのですが魅力を感じないんです。まず食事が美味しくない。メニューも画一的で、どこにいっても同じ“海老しんじょう”が出てくるでしょう? 旅館は、同時に色々な部屋に料理を運ばないといけないので、それに対応できる調理工程やメニュー構成になりがちなんです。お土産コーナーの質、あれも長い年月変わらないですよね…。

 融通が効かないのも温泉宿の特徴で、食事の時間やアクティビティの対応含めて概念から変えるなどして創造性が求められている。ただ、温泉宿にも少しずつインディペンデントな宿が生まれていて、新しい価値を創造しています。例えば、新潟の里山十帖。あそこの米を食べに行くだけで価値がある。海外から仕入れた高級食材をウリにしている料理よりも、あの米の上質さと地元天然水との化学反応は絶品です。全方位的に平均点を取ることを目指した宿よりも、はっきりとした特徴がある宿の方がはるかに魅力的で、記憶に残るんです。

TRUNK(HOTEL)が示す、独創性。

 同じように、私たちTRUNK(HOTEL)の良さをわかってくれるのは、誰なんだろうって徹底的に考えたんです。その結果、旅の経験値が高く、自分なりの価値観を持ち、世界中の面白い場所に行きたい。面白い人々に会いたいという感度の高い人々の像が見えてきました。ターゲットが望む新しい価値をつくることができれば、そこに魅了されるお客様が集まると考えていて、答えはやっぱり独創性にあると思っているんです。

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